放射線科入局をお考えの先生方へ
放射線科において取得できる専門医資格
専門医取得を目指す学生、研修医の方へ
初期研修2年間の後、放射線医学の4つの柱である放射線診断,インターベンショナルラジオロジー(IVR),放射線治療,核医学(PET含む)の4分野において,各領域の専門医を中心に最新の診療技術を導入し,国内でも有数のレベルの放射線科医の養成を目指しています。 琉球大学医学部附属病院放射線科では、最新の画像診断(CT,MR,PETなど)をはじめ、国内有数の子宮頸がんに対する放射線治療、その他、高精度放射線治療である定位放射線治療および強度変調放射線治療やIVRの専門治療を学ぶことができます。
みなさんの希望に応じて画像診断、IVR、放射線治療の研修を行い、高度な放射線診断・治療の専門医資格取得を目指す修練施設として認定されています。 取得できる専門医資格および指導医は下記のとおりとなっています。
対象:
初期臨床研修を終了した臨床経験2年以上の医師
取得できる専門医資格:
初期臨床研修を終了した臨床経験2年以上の医師
現在の琉球大学放射線科における各種専門医数一覧
2017年4月から
- 放射線診断専門医(12)名
- 放射線治療専門医(2)名
- IVR専門医(2)名
- 核医学専門医(2)名
- PET核医学認定医(4)名
担当者からのメッセージ
琉球大学放射線科では、学内・学外を問わず、全国より広く研修医、研究員等を募集しています。
西江昭弘教授が率います琉球大学放射線医学講座は、これまでも国内国外を問わず、さまざまな分野で業績をあげてまいりましたが、さらに活動を活性化すべく、これからの放射線医学講座を背負って立つやる気のある研修医、大学院生、研修員等を募集しています。
当教室では、放射線医学の各分野の研修、generalに秀でた放射線科医の養成、放射線科specialistを養成してきました。希望者には海外留学も可能です。これまでも米国を中心として医局員が外国で研鑚をつんでまいりました。
興味のある方は、いつでも下記連絡先までお気軽に御連絡下さい。
Homepage担当 飯田 行

放射線後期臨床研修
①放射線後期臨床研修の概要
放射線科専門医は初期研修後、二年後夏の日本医学放射線学会(以下放射線科)認定医試験、四年後夏の放射線科専門医試験に合格することにより付与されます。認定医試験は基本的な放射線診療についての筆記試験、二次試験は、放射線診断・治療のどちらかに特化した筆記・口頭試験です。全体の合格率は八割強です。当科入局者で、一回でも不合格だった者は殆どいません。
琉球大学放射線医学分野における専門研修は、専門医試験合格をminimal requirementとする研修です。診断学では、単純X線写真、CT・MRI・核医学・超音波検査・血管造影・IVR,消化管検査(造影検査・内視鏡)をすべて網羅しています。また治療学では、沖縄県内唯一の日本放射線腫瘍学会認定医による高度な放射線治療学の研修が可能です。
基本的には研修内容は臓器別、モダリティー別等の専門分野に特化せず、Generalistを養成するプログラムです。この研修では琉球大学医学部放射線科とその関連病院の両方で研修を受けていただきます。関連病院では、実地臨床に則した基本的で豊富な症例を学びます。 尚、日本医学放射線学会専門医になることは、常勤の医師で「放射線科専門医」であれば,画像診断管理加算の算定が可能になるということで、すなわち読影の際に画像診断料を請求することが可能になります。
※以下、当専門研修においてアピールする点を列挙します
- 診断・IVR・核医学・放射線治療の現場でのマンツーマン教育を行います
- 画像及びその読影レポートの電子データが端末で容易に参照できるシステムがあり,それを活用した教育カンファレンス
- 放射線科では珍しい内視鏡検査の研修が可能です
-
四年間のうち、他自治体の研修修練施設での研修も可能です
(現在国立国際医療センターに派遣中) - 病理標本切り出しに参加し,その後に行う画像を対比したカンファレンス出席
- 当院症例・関連病院症例をまとめて血管造影・IVRの教育カンファレンス
- 必須な放射線科領域の教科書(原書,和書)、最新文献の抄読会
- 常勤放射線物理士による放射線物理学の講義
- 病棟(全20床)において悪性腫瘍患者の全身管理や,基本的な化学療法を習得できます
- 他診療科の腫瘍専門医との定期的なカンファレンスを通じ,診療科の垣根を越えた体系的な臨床腫瘍学の習得
- 国内、国際学会でのプレゼンテーションの実践:学会での学術発表を上級医の懇切丁寧な指導のもと行います。研修中に国際学会(北米放射線学会など)への参加を支援します
- 臨床大学院に入学し、専門医取得のための修練と学位取得のための研究を同時進行させることも可能
ひとこと
後期研修の基本は日本医学放射線学会認定放射線科専門医を取得することですが、放射線科医として働く期間は、その後膨大な長さであるわけです。
現代の高速で進歩し続ける医療の中でも、コンピュータの進化と連動する放射線医療は日進月歩で進歩し続けています。
これの先頭に立って医療をリードしていく人材を育てていくのも大学の努めであり、高度な医療技術の習得のための国内外への留学など、今後とも様々な取り組みを行っていく予定です。
放射線科医は、全国集計で全医師の2-3%です。これは欧米の7-8%と比較すると、非常に低い数字です。産婦人科医や小児科医不足の陰で目立ちませんが、放射線科医の不足も深刻です。裏を返せば、職には困らないと言えます。
現に、沖縄県内でも放射線科医を熱望される病院が多く、当科に派遣の依頼がありますが、ほとんど対応できていないのが現状です。
是非多数の皆さんに入局していただき、明日の日本の医療の担い手になっていただきたいと思っています。

②後期研修の研修例
3年目 | 附属病院放射線科 医 員 |
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4年目 |
関連病院 放射線科 レジデント |
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5年目 |
附属病院放射線科 医員 |
関連病院 放射線科 レジデント |
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6年目 |
関連病院放射線科 レジデント |
認定医試験 (8月末) |
附属病院放射線科 |
7年目 |
関連病院 放射線科 レジデント |
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8年目 |
附属病院放射線科 医 員 |
専門医認定試験 (8月末) |
関連病院放射線科 スタッフ |
③取得可能な資格
専門領域 | 放射線科専門医 |
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専門領域 | 核医学専門医、放射線腫瘍学会認定医、検診マンモグラフィ読影認定医 |
認定医・専門医制度の状況
学会名 | 放専門医名 | |
---|---|---|
1 | 日本医学放射線学会 | 放射線専門医(放射線科専門医修練機関) |
2 | 日本核医学会 | 核医学専門医・認定医(日本核医学会専門医教育病院) |
3 | 日本放射線腫瘍学会 (JASTRO) |
JASTRO認定医(日本放射線腫瘍学会認定施設) |
関連修練病院は各病院が日本医学放射線学会に病院の規模・放射線科医の実績を提出し、研修可能と認定を受けた病院群です。
ここに挙げた病院は琉球大学放射線科プログラムから派遣された実績のある病院です。修練協力病院は、琉球大学放射線科後期研修に対して協力機関であることが学会から認定された病院群です。
関連病院名 | 病床数 | 研修可能な領域 | 備 考 | |
---|---|---|---|---|
1 | 中頭病院 | 326 | 診断・核 | 放射線科専門医 |
2 | 国立国際医療センター(東京) | 925 | 〃 | 〃 ◎ |
3 | 南部徳洲会病院 | 345 | 診断 | 〃 |
4 | 豊見城中央病院 | 306 | 診断・核 | 〃 |
5 | 浦添総合病院 | 302 | 診断・核 | 〃 |
6 | ハートライフ病院 | 300 | 診断 | 〃 |
7 | 中部徳洲会病院 | 300 | 診断 | 〃 |
8 | 南部医療センター・こども医療センター病院 | 434 | 診断・治療 | 〃 |
9 | 中部病院 | 550 | 診断 | 〃 |
※備考欄の◎印は、専門医の学会認定総合修練機関です
④診断部門研修の目標
放射線科診療一般に関する基礎知識、手技を取得し指導医のもと診療が行える。
- 適切な画像検査選択、及び各種検査内容の組み立てを行う。
- CT、MRI、血管造影検査などの基本を理解する。
- 臨床研究の立案、施行を指導医のもとに行う。
- 勉強会、学会、研修会での発表、講演等を行う。
- 医療チームの一員としてふるまえる。
- 検査に関するInformed consentの重要性の認識する
- 患者対して検査内容の説明、質問に対する適切な対応ができる。
- 依頼科医師に対して適切な検査方法の提示ができる。
- 放射線生物学、物理学の基礎知識を習得する。
- 放射線被曝防護に関する基本的知識を取得する。
- 各種造影剤の作用原理、適応、副作用,禁忌を理解し、適切な検査の選択ができる。
- 各種検査結果の解釈及び診断レポートを作成できる。
⑤治療部門研修の目標
放射線治療専門医を目指す方は、認定医取得後は放射線治療の研修を行う必要があります。
当分の間は、その期間は琉球大学附属病院にて研修を行います。
以下は、研修目標の詳細です。
一般目標:
疾患の状況(Stage等)、全身状態、患者の社会的状況等を総合的に考慮した治療方針が立案できる
行動目標:
1.治療前評価のための検査を系統的に行い、それらの結果をまとめることができる
2.信頼性の高いエビデンスを収集し、患者への適用性を評価する
一般目標:
放射線治療について患者に適切なインフォームドコンセントを行い、良好な信頼関係を築くことができる
行動目標:
適切な資料(パンフレット等)を用い、患者に分かりやすい言葉で治療の目的・方法・予測される効果及び副作用等を説明できる
一般目標:
外部照射、小線源治療の治療計画を立案できる
- 疾患別の標準的な標的体積を理解する
- リスク臓器とその耐容線量を理解する
- 1、2を前提とし、各症例の治療計画を立案できる
- 治療の目的、部位、組織型等を考慮した総線量と線量分割法が処方できる
- 複数の治療計画の比較評価を、線量体積ヒストグラム等を用いて行うことができる
